「町会長さん.早く新しい平成の神輿を造ろうよ」東京のある下町の町会長さん、正月過ぎてまもなくの夢の中で、登場した、左甚五郎に町内の新しい神輿造りをせっつかれました。
前々から町内で新しく神輿を造ろうという気運が盛り上がっていましたが、多大の費用が掛かるうえ、初めてのことなので何となくちゆうちょしていた町会長さんも、とうとう夢の中で左の頭に催促されるに及び、重いい腰を挙げることになりました。
皆さんも新しい神輿造りの当事者になったつもりで、この町会長さんと一緒に神輿造りの計画に参加してみましょう。
まず第一に神輿造りの主旨、目的をはっきりさせることです。
例えば宮神輿はあるが、町神輿はなかったので造りたいとか、子供用はあったが大人用がなかったので大型神輿を造りたいとか、あるいは今の神輿は古くなりすぎて、担ぐのに危ないので新しく造り替えたいとかです。
第二にどのような神輿を造るのかというイメージ造りです。
例えば隣町より大きく豪華な神輿にしたい、商店街があるので華やかな神輿にしたい、元気な若者が多いので大きくて多人数で担ぐ神輿にしたい、あるいは担ぎ手が少ないので小振りながら豪華な神輿にしたい、いや町内に神社があるので神秘的な神輿にしたい等々、町の特徽、神社のいわれ、担ぎ手の数、祭礼の特徴(水をかける、海に入る、激しくもむ、落とす等)を考えながら神輿のイメージを創り上げるのです。
神輿造りの主旨、目的、イメージ創りと同時にすべきことは組織作りです.例えば○○町神輿新調委員会です。
役員は正副町会長、町会祭礼委員長、氏子総代、町内神輿会会長、頭、会計等でしょう。当委員会にて、神輿の具体的な仕様、日程、発注先選定、予算計画、祭礼計画等を行うことになります。
予算計画に含むべき項目は、神輿製作費、祭礼用品購入費、祭礼実行費用等で、総費用は大体、神輿製作費の一・五倍ぐらいのようです。具体的には今まで町会会計の中にあった祭礼積立金を当委員会会計に移し、基本財源とします。不足分を町会員、有志、地元商店、企業等よりの賛助金で賄うとし、基本計画を立てます。そして趣意書、奉加帳を作ります。
これでいよいよ行動開始です。
次回から神輿自体の仕様の決め方について具体的に話を進めて行きましょう。
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