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神輿うんちく学4
その後「東京ある下町神輿新調委員会」の面々の努力、情熱が町会員、商店街の旦那衆や地元企業に伝わり、どうせ創るなら多少費用が掛かっても、もつと良い神輿を創ろうと機運がさらに盛り上がりました。
そこで委員の面々も仕事を早めに切り上げて夜毎打合せ兼一杯やる会で額を寄せ合うことと相成りました。
前回までの打ち合わせで二尺八寸神輿の仕様は、ほとんど決まっていました。
さらにこの神輿を良くするには、各部分を検討して表面仕上げや、加工に凝ることになるわけです。
そこで「神輿の出来は金具次第。」のセオリーどおり、まずは金具の再吟味となりました。
まず神輿を勇壮かつ豪華に見せる効果を持つ金具として、露盤、野筋、軒面、内堂の長押等に金鍍金の下地金具(二重金具)を施こす。
屋根に付く巴紋が一面一個だったのを小ぶりにして一面に三個付けとする。
蕨手は巻龍として金鍍金、龍部は銀鍍金とする。
葺返しは町会名人り緑色七宝金具付きとし、鶴を打ち出し銀鍍金、地は金鍍金の二色鍍金とするなど大いに凝ることとなりました。
神輿を観るうえでの見所である彫り物もこれ又、鳥居、内堂柱に巻龍を施すことにしました。
ここまでくれば、桝組にも龍頭といきたい所ですが、なにせ数が大変多いので予算内に収まるかどうか少しばかり心配なので、この個所は神輿親方と相談してから決めようということになりました。
その他、囲垣の下の横木を二段にして、囲垣周りに重厚さを出すようにし、鳥居には神社名入りの金箔押しの額も付けることにしました。
これで金具、彫り物等がずいぶん追加になり予算も大部掛かることになりましたが、かなり立派な神輿が出来そうですね。
さらに欲を言えば、もし町内のご隠居がポンと大口の寄付でもしてくれるなら、金具や彫り物、漆塗を高名な芸術家や芸大の先生にお願いするとか、漆部分に蒔き絵や象嵌細工を施こしたりして、東京一、日本一の神輿ダゾオと、いくらでも凝りようが有ります。
しかし金具を一個追加するということは八個必要ということです。神輿は通常左右対象で四面有りますからね。金具を奢る場合はこのことを計算の中にしっかり入れておくことです。
最後に神輿は基本的には一度造ると作り直しが出来ないということを肝に命じておいてください。多少の手直しは可能としても、基本的には大きさや様式等の仕様の修正変更は無理です。
始めに指摘したとおり、どのような神輿を創りたいのかというイメージ創りを、しっかり行なう事が肝心です。
これから平成の新時代の神輿を創ろうとしておられる皆様、、、 ガンバッテ下さい。
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